2025/05/12 20:32
手作りの「すこやかなぬいぐるみ」に、物語絵本ができました!
一話読み切りの物語なので、どのお話からでもお読みいただけます。

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食事なんて、とりあえずお腹がふくれればいい。
女の人は、食事の時間が少し億劫でした。
朝はギリギリまで寝てしまうし、夜は疲れて、ついコンビニのおにぎりやカップラーメンで済ませてしまう日もあります。
自分ひとりのために、わざわざごはんを作るのが面倒でした。
このままでいいのかな… もうちょっと、ちゃんとしたいかもな…
「すこやかなきつねのぬいぐるみ」を横目に、心のどこかでモヤモヤを感じながらも、そんな日々を続けていました。

ある休日の昼、部屋の掃除をしていた女の人は、戸棚の奥からしばらく前に買ったものの、作ることのなかったホットケーキミックスを見つけました。
「せっかくだから、久しぶりに作ってみようかな」
女の人は、きつねのぬいぐるみを近くに座らせて、一緒にホットケーキ作りを始めました。
たまごを割りいれ、牛乳をそそぎ、軽くまぜたら、熱したフライパンにとろり。
ふんわりと焼きあがったホットケーキは三段に重ねて、バターとシロップで仕上げます。

甘い香りに包まれたキッチンで、心がうきうきしてきた女の人はついでに友達からもらった紅茶も淹れました。
料理を見守ってくれたきつねをちょこんと座らせて、記念にぱしゃり。
ホットケーキと紅茶をゆっくりと楽しんだ女の人は、お腹が満たされるのはもちろんのこと、今日はなんだか心も満たされているように感じました。
それから女の人は、休日ごとにピザ・オムライス・クッキー・スコーンと
好きな食べ物から、食べてみたかった料理まで、色々と作ってはきつねと一緒にぱしゃりと写真を撮りました。

休日は、料理をしてキロクを残す。いつの間にか、それは女の人の中で一つの習慣となっていました。
「今日は思い切って作り置きをしてみよう。」
食事の時間が億劫だったはずの女の人は、いつの間にかきつねと一緒に料理をすることを楽しんでいました。
女の人はまだ慣れない手つきながらも、明日の自分のために料理をします。
第5話 おしまい
これからも絵本はつづきます
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